天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫)価格: 680円レビュー評価: 4.0 レビュー数:27 読みはじめたら、もっと読みたくなってしまう作品です。
最後の母から娘への手紙の表現が素晴らしく、泣きながら読みました。
今でも 読み返しています。
複雑な人間関係が、ますます 読欲をすすめられて 寝不足になる本です。
読み終わった方ならわかりますよ! ...さらに詳しい情報はコチラ |
海は涸いていた (新潮文庫)価格: 780円レビュー評価: 4.5 レビュー数:5 生い立ちを隠し、異父妹や昔の仲間の幸せのみを祈って静かに暮らす主人公。
そんな男が、皮肉にも昔の仲間との再会をきっかけに事件に巻き込まれ、自分の過去とも交錯をして、大切なものを全て失う危機を迎える。
淡々と半ば世を捨てたような男に、大切な人を守るため、かつての激情が蘇る。
しかし、その激情は、かつても、そして今回も男を幸せから遠ざける結果を招くものだった・・・。
敏腕刑事(この刑事もなかなか魅力的な人物に描かれている。情はあるがクールな仕事人)の登場から結末に至るまでは、主人公の「大切な人を守りたい」という愛情や「状況を打開せねば」という焦燥が ...さらに詳しい情報はコチラ |
天国への階段〈下〉 (幻冬舎文庫)価格: 680円レビュー評価: 4.0 レビュー数:6 上巻がよく、中巻で更によく、下巻で少しダレたように思う。柏木をめぐるストーリーは前半でほぼ完結しているのに、駄目押しのようにわかりきったことを描写しすぎていて、やや疲れた。うまく省略すれば、もっとスピード感が増したろうに。反面、丁寧に描きこまれた作品だとも言える。
牧場と純愛と出生の秘密と殺人事件と復讐、というエンターテイメント要素てんこ盛りの良くできた作品だった。長く楽しませてもらった。ありがとう。
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天国への階段〈中〉 (幻冬舎文庫)価格: 680円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 (上巻のレビューの続き)
中巻はストーリー展開ももちろんだが、心の揺れの描写が秀逸である。孤独と絶望の淵に追いつめられて復讐を誓った柏木でも、愛情や憎悪を自由にひねり出すことは出来ない。もし彼が、冷酷非情に徹することが出来たのなら、この作品は単なる復習譚に終わっていただろう。しかし、柏木の復習劇は、当初描いていたのとは違う方向に向かっていく。一方で、執念の捜査を続けていた桑田は、事件の全貌をほぼ掴む。また、亜木子の抱えていた重大な秘密も明らかになり、先を読まずにいられなくなる展開が連続する中巻である。
(下巻のレビューに続く) ...さらに詳しい情報はコチラ |
流星たちの宴 (新潮文庫)価格: 900円レビュー評価: 4.0 レビュー数:8 あの麗しくもおぞましいバブル時代のさなか、
最もそのバブルに近かった男の話である。
完全に男の夢とロマンティシズムの産物であり
そこに感情移入できなければ醒めてしまう語り口でもある。
無味乾燥な世界の住人でありながら、
ネット長者たちがことある毎に夢を語るのは、
どこか自分の生き方にロマンを求めたい男の
共通した性なのだろうか?
横森理香『ぼぎちん』と同じ時期・同じ登場人物が描かれているが
女性の横森が極めて客観的・冷静に事態を見つめているのに対し
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私の歩んだ道―ノーベル化学賞の発想 (朝日選書 (670))価格: 1,050円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 ???2000年度のノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士が、受賞後に朝日新聞に寄せた随筆「化学と私」(2000年11月1日)と、高分子学会・朝日新聞社主催の受賞記念講演と鼎談の記録を収めた本である。タイトルは記念講演の演題「私の歩んだ道」による。 ???2000年10月10日の夜、「ある通信社」からノーベル賞受賞の第一報を受けたとき、真っ先に覚えたのは、うれしさより「これは困ったことになった」という困惑だった(本書「あとがき」)。「大学教官(筑波大学教授)を退官し、これからは静かな生活を楽しもうと思っていた矢先」なのに、大騒ぎに巻き込まれるのが目に見えていたからだと言う。記念講演後の鼎談 ...さらに詳しい情報はコチラ |
捲り眩られ降り振られ (幻冬舎文庫)価格: 600円レビュー評価: 3.0 レビュー数:1 無頼派の代表ともいえる白川道の競輪日記。
それはまさにギャンブル「道」とでも呼ぶべき
美学が満載され、競輪に興味が無くても白川ハード
ボイルドが好きならきっとはまると思います。
また、競輪に関するエッセイの合間に、白川夫人である
文芸誌編集長中瀬ゆかり氏の幅広い人脈で実現した
ベストセラー作家のリレー競輪エッセイも読めて2倍お得です。
さらに、最後は本格ミステリでもお目にかかれないような
ものすごい「オチ」が・・・
思わずひぇーと叫びそうになってしまいました ...さらに詳しい情報はコチラ |
病葉流れて (幻冬舎文庫)価格: 720円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 大学に入学した主人公がギャンブルにのめり込んで行く。
せっかく良い大学に入ったんだから、真面目に勉強して
就職すれば、将来は大企業の部長や取締役くらいには
なれたかも知れない。
でも、この主人公はそんな道は選ばなかった。
病葉という言葉が妙に合っている。
作者の自伝的小説と言うだけあって、酒、女、麻雀という
当時の大学生の生活ぶりにはリアリティに富んでいる。
ただ、この作品は主人公が大学に入学してから最初の
夏休みを迎えるまでの期間を書いている。大学に入学
し ...さらに詳しい情報はコチラ |
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崩れる日なにおもう〈下〉―病葉流れて〈3〉 (幻冬舎文庫)価格: 630円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 この小説で著者は「あらかじめ定められた人生は生きる価値がないか」という問いかけを読者に対して投じている。主人公は、それを自ら実践して証明しようとして、大手の会社を辞め、新しい人生を歩むための修練を積むために敢えて不確定で嘘と策略と欺瞞に満ちた相場の世界に身を投じる。その結果、どうなったかを知るには、この小説の中に身を置く以外にはない。惰性と習慣の中で生きることを余儀なくされている現代人にとって、この小説を読むことによってある種の疑似体験が得られることは間違いない。しかし、そこから何を学ぶかは個々人に委ねられている。作者の次作が大いに期待される。 ...さらに詳しい情報はコチラ |