天切り松 闇がたり3 初湯千両 (集英社文庫)価格: 580円レビュー評価: 5.0 レビュー数:12 貧しい暮らしをしている母と子の力になろうとする寅弥を描いた「初湯千両」、
鮮やかな詐欺の手口を披露する常兄ィを描いた「共犯者」、おこんと竹久夢二の
ふれあいを描いた「宵待ち草」、一人の女のために楠木正成の太刀を一時的に
拝借しようとする栄治の話「大楠公の太刀」、道化師の父親を持つ仁太と少年の
日の松蔵の物語「道化の恋文」、松蔵が、持つはずのない二つ盃を持つことに
なったいきさつを描いた「銀次蔭盃」、どの話も読み応えがあった。一番印象に
残ったのは「道化の恋文」だった。貧しさや自分の境遇から抜け出すのが困難な
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極道放浪記〈1〉殺られてたまるか! (幻冬舎アウトロー文庫)価格: 520円レビュー評価: 4.5 レビュー数:8 本当にこれが全て実話であるならこの方は凄い体験を経て作家という職業にたどり着いた人だと思います。だからこそ書ける作品(プリズンホテルなど)もあるのでしょうが、やはり一部‘笑えない’所もあります。ヤクザの世界を美化する傾向があるのも体験に基づくのでしょうか・・・?でも文章と言うか、言葉の組み合わせ(?)は本当に面白いです。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
霧笛荘夜話 (角川文庫)価格: 580円レビュー評価: 4.0 レビュー数:7 しっとりした筆者特有の世界観で、引きずり込まれるような読書を楽しむことができる。
登場人物は、みな一癖あり、しかし優しくて不器用。
このシリーズははじめて読んだのだが、いつもの浅田ワールドを堪能することができた。
こうした登場人物ごとの短編を書かせると、本当に上手だと思う。いつも感心してしまう。
楽しい読み物としての完成度がとても高い。
筆者の本が好きな人には、素直に楽しめるお勧めの一冊。
話しを忘れた頃に、また読み返してみたい。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
中原の虹 第二巻価格: 1,680円レビュー評価: 5.0 レビュー数:10 西太后と光緒帝の最期。
相変わらず結構面白い。
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戦では死を怖れた者から死ぬのだ。
西太后
「どこの国でも、世界地図の中心は自分の国。つまり、地球はおのおのの国の主観と利欲によって動いているのだと私は知ったの。
ヨーロッパで産業革命で起こると、その主観と利欲がたちまち牙を剥いた。文明の進んでいる国が、そうでない国を乗っ取って、民を奴隷にし、産物を奪い始めた。
文明。いいかげんなものね。人殺しの機械を次々に発明した文明は、けっして進歩ではない。それは明らかに人間の尊 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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薔薇盗人 (新潮文庫)価格: 540円レビュー評価: 4.0 レビュー数:8 小説新潮に掲載された6つの短編をまとめた短編集。読み終えてみると、掲載誌が違うものをまとめたんやないの? と不思議に思うほど趣の違う作品が集められています。
気に入ったのは
「あじさい心中」はリストラされたカメラマンがひなびた温泉で出会ったストリッパーとの一夜を描いた佳作。
「死に賃」は苦痛なく死ぬことができる方法という怪しいセールスに乗ってしまう話。「椿山課長?」のような死生観がなんとなく伺えます。この作品好きですね。
会話を連ねることで真実に迫る「奈落」や、書簡形式でなんとも皮肉な事件を描く「薔薇盗人」なども楽 ...さらに詳しい情報はコチラ |
中原の虹 第一巻価格: 1,680円レビュー評価: 4.5 レビュー数:11 「蒼穹の昴」は浅田次郎の代表作とされている。ストーリーテラーとしての巧みさ、キャラのたたせ方の妙、しかも、繰り返し涙腺のつぼを突いてくるサービス精神の旺盛さ(笑)。「珍妃の井戸」はスピンオフストーリー的な存在であり、前作の登場人物の影は薄い。しかし、本作品「中原の虹」では、清朝末期の政変や辛亥革命という時代のうねりの中で、見事に続編として楽しませてくれる内容だ。そして、「蒼穹の昴」の春児や梁文秀他の登場人物も活躍する。それ以上に、この続編が、私には「蒼穹の昴」より魅力的に思えるのは、「プリズンホテル」のやくざ者に見られるような、ある意味、浅田次郎の得意技的な任侠キャラ(張作霖)や大俗物キャラ ...さらに詳しい情報はコチラ |
王妃の館〈上〉 (集英社文庫)価格: 700円レビュー評価: 3.5 レビュー数:10 人づて&レビューを見て購入しました。
面白い、と絶賛されていたので期待が大きすぎたようで
正直読んでいていまいち、でした。
まず設定がありえない。フィクションだから、と割り切ったところでも、
全く好感が持てない登場人物たち。
過去の話の場面はそれよりは多少面白いのですが、
その時代に焦点を当てた小説ほど興味深いわけではなく、文章もなんだか軽すぎて
がっかりでした。
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霞町物語 (講談社文庫)価格: 520円レビュー評価: 5.0 レビュー数:12 バブル期や、高度経済成長手前の東京を舞台にした映画が作られているが、
この霞町物語も、昭和のある時期の東京の匂い(私自身は見たことも無いのに)を
リアルに、そして美しく描いている。
今で言う西麻布あたりの写真館の息子が主人公。高校生なんだけど、
ディスコに通い、カッコいい車やカワイイ女の子を追いかけてふらふらしてる。
そんな刹那的な青春をすごしながら、カメラマンの祖父や父が映し出す
東京の風景や、粋を知っている祖母に愛され、幸せに暮らしていた主人公。
「霞町」の地名とともに、当時の東京にあって今 ...さらに詳しい情報はコチラ |
珍妃の井戸 (講談社文庫)価格: 660円レビュー評価: 3.5 レビュー数:21 蒼穹の昴に続く、浅田次郎の中国歴史ミステリーシリーズ。
義和団事変の混乱の中、西太后に殺されたとされる、
光緒皇帝が寵愛した珍妃。
彼女の死の謎を追う、4人の外国人貴族たち。
そして、それぞれの思惑で証言する7人の発言。
美しき妃は、なぜ、誰に殺されたのか。
戊戌の新政の失敗で幕を閉じた蒼穹の昴。
その後、更に没落の色を濃くしていく清朝末期の
様子を、光緒皇帝の愛妾・珍妃の謎を追う形で、
描いている。
蒼穹の昴を読んだものとしては、登場人物のその後を
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真夜中の喝采―きんぴか〈3〉 (光文社文庫)価格: 560円レビュー評価: 5.0 レビュー数:6 最終巻まで読み終えて、『きんぴか』がいい!という読者のかたが多いわけがわかった。・・・やっぱりいいもの。
ちょっとじーんとくるエンタメ作品と決めてかかっていたら予想を裏切られた。えっ!うそっ!がーん!という展開ののちに、ほろ苦さ漂う結末に・・・・・・
思うに、3人の過ごした夢の砦は、巨悪を倒すための拠点ではなかった。そもそもこんな今時希少な筋の通った男たち、世間の枠に収まりきらない男たちが、ひとつところに止まっていられようはずがないのだ。夢の砦は、躓いた男たちが友情という心地よい毛布にくるまれてしばし羽を休める場所であり、それまでの出来事に決着をつけ、自 ...さらに詳しい情報はコチラ |
中原の虹 第三巻価格: 1,680円レビュー評価: 3.5 レビュー数:6 張作霖が満州を制圧するまでのストーリーです。
この巻では、趙爾巽が特に格好いいなあと思いました。
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趙爾巽v.s.王永江
「なるほど。謎がひとつ解けた。あの布告文を起草したのは君だな。」
「対。勝手な真似をいたしました。」
否定もせず、悪びれる様子もない。それ以上の言葉を何も添えようとしないのは、行いに信念があるからなのだろう。信念は人を寡黙にする。
内省不疚
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司馬牛問君子、子曰、君子不憂不懼、曰、不憂不懼、斯可謂之君子已乎、子曰、内省不疚、夫 ...さらに詳しい情報はコチラ |