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ストックホルムの密使〈上〉 (新潮文庫)価格: 620円レビュー評価: 5.0 レビュー数:4 第二次大戦末期という極限、絶望の状況下にあって、必死に己の信じる道を進もうとする男たちの壮絶なドラマ。
機密情報を入手し、これをなんとしても日本に伝えようとする二人の密使の冒険劇。国際関係を背景にしたスペクタクル活劇としてももちろん読み応えがあるし、重厚かつ繊細な筆致からはそれぞれの登場人物の苦悩が読みとれる。
非常に密度が濃いが、一気にはまり込んで読み終えてしまうことができる。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
牙のある時間 (ハルキ文庫)価格: 880円レビュー評価: 2.5 レビュー数:3 東京から北海道に移住した絵描きとその妻。二人は田舎には場違いとも思える知的で優雅な隣家の農場主夫婦と出会い、徐々に常識という殻を破り始める。
第1部ではその生活が妻からの視点で、そして第2部では夫からの視点で、ことの成り行きが描かれる。それは同じ出来事でも、二人がかなり違う印象で語る二つの話となっており、なかなか興味深く、風変わりな感はある。しかしそれはまた冗長すぎる感もある。
本書の紹介には「ホラーミステリー」とあった。しかしどの部分がホラーでどの部分がミステリーといえるのか?どちらも中途半端としか感じられなかった。「謎」は最後まで茫洋とし、怖いところは何もなく、二 ...さらに詳しい情報はコチラ |
うたう警官価格: 1,890円レビュー評価: 4.0 レビュー数:9 どうも、主人公達に感情移入出来ない。主人公の感情がよく見えない。
どうでも良い駄洒落なんか言わせる必要ないし、なんで、みんな佐伯に
従うのかが今ひとつ判らない。
道警絡み、札幌、をキーワードにするなら、東直己の方がずっと、
おもしろいと思う。(畝原ものや榊原ものですが)
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疾駆する夢〈上〉 (小学館文庫)価格: 770円レビュー評価: 3.5 レビュー数:2 敗戦の廃墟から立ち上がった男の物語。
戦争を知らない人たちには、想像できないような何も無い時代に、
捨てられた自転車に、小さなエンジンを付けたところからスタートした
主人公の多門大作が、世界的な自動車メーカーになります。
多門大作が、通産省の官僚にも屈することなく、ユーザーに愛される車を作るのは、
読者の共感を呼びますよ。
痛快です。
若い人には、国産自動車の発展を知ってもらい、年配者には、懐かしい自動車の名前が出てきますから堪りませんよ。
佐々木譲、この作者にハズレはありませんね。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
武揚伝〈1〉 (中公文庫)価格: 720円レビュー評価: 4.5 レビュー数:3 榎本武揚。
数ある幕末物語に登場しながら脚光を浴びることは多くない。
幕府艦隊の実質的指揮官であり、蝦夷共和国の総裁になったこと、そして結局新政府への降伏を決めたことだけが語られたりもする。
ときに旧幕府軍の戦力的な最後の拠り所として描かれ、ときに「総裁として無難な人選」として描かれ、ときに「最後まで戦い抜けなかった根性無し」的な扱いを受けさえする。
彼は優等生過ぎた。
優秀であることは間違いないが、突き抜けた天才ではありえなかった。
人徳を備えた「いい人」ではあったが、強烈な個性やカリスマ性を持ち得なかっ ...さらに詳しい情報はコチラ |
ストックホルムの密使 (新潮ミステリー倶楽部)価格: 2,243円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 この小説は,数年前にテレビドラマ化されたことがきっかけで読んでみました.全体的に読みやすい文体で,第二次大戦末期の戦争当事国を舞台に史実を織り交ぜながら話が展開します.ノンフィクションとフィクションの絶妙なブレンドを感じさせます.様々な印象深い箇所があると思いますが,私は,一貫して「祖国(愛)とはなんぞや」を考えさせられました. 世界からみた祖国と自国の過去だけからしかみていない祖国の違い.この問題は,現代の世界でも決して過去のことではないと思います. 他にも祖国について同じ時代を題材にした小説がありますが,それとはまた違った視点&切り口で新鮮味を感じさせる作品だと思います. ...さらに詳しい情報はコチラ |