早く昔になればいい (新潮文庫)価格: 420円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 まるで妄想のみで創り上げられたかと思うような物語である。人の想像というものは、ここまで危うく、妖しげで、禁忌に満ちたものになるのだろうかと思わせられる。
しかし、そんな禁忌の色に満ちたこの作品に流れるデカダンスは、なんと強烈な匂いを放つことか。樟脳や畳の、ともすれば悪臭にでもなりそうな古臭い匂い。狂女のしーちゃんを犯した神社の裏手という場所の気味悪さ。偶然覗き見てしまったしーちゃんの母の奇行。そして、そのしーちゃん狂っていた有様そのもの…。それらが相まって、朽ちていく人間たちの美しさが極まって表現されている。
あまりに非日常的な物語のために恐ろしくもあるのは確かだが、 ...さらに詳しい情報はコチラ |
渚にて価格: 1,890円レビュー評価: 3.5 レビュー数:2 04年9月にNHK−FM 青春アドベンチャーでもラジオドラマ化されました。 まさしく現代版十五少年漂流記! 無人島に漂着してのサバイバル、そして安定した生活の中で救助を待つ間に次々と発生する「恋」「性」「心」の問題を乗り越え成長してゆく少年達の心情をうまく描いています。 ただ、島の自然条件設定やほか海洋関係の描写が若干不自然なのが残念。エンディングも、ちょっとどうなのという切れ方をしたのが残念でした。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
女神(じょしん)価格: 1,575円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 ???昭和文壇の裏側を風のように駆け抜けた女性がいた。坂本睦子、通称ムウちゃん。小林秀雄、中原中也、坂口安吾、大岡昇平、青山二郎など、才能あふれる無頼な文士たちに愛され、求められ、そして自死を選んだ実在の女性だ。銀座のバーに勤めていた彼女は、透けるような白い肌と魔性の美貌、そして童女のような無垢なあどけなさで、多くの文壇の住人を虜(とりこ)にし、多くの作品のモデルともなったが、ついにはだれのものにもならず、そしてひとり旅立つのだ。 ???久世光彦は、1935年東京生まれ。東京放送(TBS)を経て、ドラマ演出家として「時間ですよ」「向田邦子ドラマシリーズ」などの代表作を手がけた。小説家、エ ...さらに詳しい情報はコチラ |
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卑弥呼 (新潮文庫)価格: 820円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 「セックスレス」カップルの切なく笑えるやりとりを作者の文学トリビアを交えて描いた本です。はっきりいって、とっても面白い☆友達にも薦めまっくてます。猫好き&本好きの人に特におすすめ!そうでない人ももちろん大いに楽しめます! ...さらに詳しい情報はコチラ |
触れもせで―向田邦子との二十年 (講談社文庫)価格: 470円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 「おしゃれ泥棒」の中で、向田邦子は、他人の幸せだけは奪えなかったと書かれている。しかし、彼女の感受性なら、自分と他人の幸せの狭間で、深く悩んだはずである。だから、「身代わり観音の中」で「・・死にたいと思いつめた覚えもなく、人を呪う不幸も味わわず・・」と彼女が書ていると言われても私は信じない。きっと、神様に「そんなに辛いならこっちにおいで」と招いてもらって、初めてその悩みから解放されたのであろう。この本は、向田邦子の「表現」をそのまま紹介しながらも、彼女の「真実」を確実に、ある意味では容赦なく、しかし久世氏一流の暖かさをもって、読者に提供している。彼女の「真実=本心」に接して胸が詰まったところ ...さらに詳しい情報はコチラ |
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みんな夢の中―続マイ・ラスト・ソング (文春文庫)価格: 670円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 雑誌、「諸君」連載中から毎月読んでいました。連載が始まった時には、短期間で終わる規格化と思ったけれど、そうではなく、「もし自分が死ぬ時に最期に聞きたい歌は何か」という極めて限定された設定で、実は、戦前戦後の歌謡史のようなものと、その時代背景の論評であると気付いた次第。
だから、自分が死ぬ直前に何を聞きたいか・・・は、ちょっと大げさな、タイトルということになる。
この第二巻では、正直言うと、私の知らない曲が多く、年代差を感じていた。
おそらく第三巻以降が出てくるであろうが、知ってる曲についてのレビューをさせていただきましょう。
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マイ・ラスト・ソング―あなたは最後に何を聴きたいか価格: 1,223円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 雑誌「諸君」の連載で、毎月、彼の好きな歌を通して思い出を語ったり、歌の解説をされていた。知っている曲もあれば、知らない曲もあったが、知らない曲のお話でも楽しく読めた。
最初は、数曲を選ぶのかと思ったら、そうではなく、延々と続いて、「久世さん、そのときになったら大変じゃない?」と老婆心に思ったものである。
ま、題名は、ちょいとセンセーショナルにして、自分の好きな歌に関連したエッセイをお書きになったとは思うが。
私は、決めております。
Beatlesの「In my Life」
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