密室と奇蹟 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー価格: 2,520円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 ジョン・ディクスン・カーの著作のファンの方にとっては
もちろん、彼の作り出した人物や作品を思い出し楽しめるだろうが、
私のような、それ程なじみのない読者にも楽しめる作品集であった。
どの作品もそれそれ、良いと思ったが、中でも、
巻頭の『ジョン・ディクスン・カー氏、ギデオン・フェル博士に会う』は
BBCのラジオ放送に関わっていたカーの周囲で起きる事件を描き、
昔のラジオ収録の様子や、カーの作品そのものも楽しめて、面白かった。
また、『亡霊館の殺人』は密室の殺人の謎や人間関係などの設定が
いかに ...さらに詳しい情報はコチラ |
宇宙神の不思議 (角川文庫)価格: 940円レビュー評価: 2.5 レビュー数:2 2002年に出た単行本の文庫化。
水乃サトル学生時代シリーズの第2作。
著者お得意(?)の新興宗教を扱ったミステリ。現代のミステリで、大規模な陰謀とかを描こうとしたら、宗教団体というのは確かに利用しやすい設定と思う。本書ではさらに宇宙人の存在まで盛り込まれ、怪しげな雰囲気を醸し出している。
ミステリとしてはいまいち。トリック、犯人ともに結構早い段階で気付いてしまう人が多いのではないだろうか。キレもない。
小説としては面白く読めた。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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密室―ミステリーアンソロジー (角川文庫)価格: 560円レビュー評価: 3.0 レビュー数:1 密室をテーマにしたアンソロジーというと 非常に重たい作品が並んでそうですが 意に反して割にライトな作品が多い 密室にしても広義の密室たるものが多く 殊密室をテーマにして、短期間で短編を書いてくださいというのは 簡単にはいかないものなんだということを 感じさせます ...さらに詳しい情報はコチラ |
Killer X キラー・エックス (光文社文庫)価格: 860円レビュー評価: 3.0 レビュー数:3 2001年にカッパ・ノベルスとして出たものの文庫化。
当初は著者名が「クイーン兄弟」として出版されたことで有名。文庫化の際には本名が明かされたのだが、黒田研二と二階堂黎人の合作であった。同じコンビで書かれた『千年岳の殺人鬼』、愛川晶と二階堂黎人による『白銀荘の殺人鬼』と合わせて読むと面白いだろう。
内容としては、バカミスだと思う。結末部分で読者の意表を突くストーリー展開を見せるので、思わず「そんな馬鹿な!」と叫んでしまう。ミステリ作家って、哀しい性を抱えているのだなと思わされる。まあ、このトリックには賛否両論だと思うが、これはこれでアリなのでは。
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悪魔のラビリンス (講談社文庫)価格: 600円レビュー評価: 3.5 レビュー数:2 2001年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
二階堂蘭子が「魔王ラビリンス」と対決するシリーズの第1弾。中篇2本+αが収められている。
「魔王ラビリンス」は、怪人二十面相やモリアーティ教授に当たる存在。犯罪のプランナーとして暗躍し、名探偵に挑戦状を送りつけてくる。かなりの残虐趣味の持ち主のようで、本書でも陰惨な事件が描かれている。
雰囲気が良く出ているし、名探偵と犯人の駆け引きも面白い。犯罪小説的に読むと楽しめるだろう。
相変わらずトリックが弱いのは仕方ないか。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
カーの復讐 (ミステリーランド)価格: 2,100円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 小学生のころ読み耽っていた怪盗ルパンのシリーズを思い出しました。
子どものころ夢中になって読んだあの世界が甦ってきました。
子どもむけなので読みやすいし昔を懐かしんで読むのもいいかも。
私が子どもだったら、きっと「やった、犯人が当たった」と
ほくそ笑んでいるでしょう。
他のミステリーランドのシリーズも読んでみたいです。
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本格ミステリーを語ろう!―海外篇価格: 1,575円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 有栖川有栖、二階堂黎人、小森健太朗、芦辺 拓の4人が、海外の本格ミステリのお気に入りの作品や作家について、ざっくばらんに語り合った対談集。大好きな作家や作品のことで話す4人の生き生きとした表情、きらりと輝く瞳が目に見えるよう。それぞれの海外本格ミステリへの熱い思いが伝わってきます。 取り上げられた作家のなかでも、殊にエラリー・クイーンとディクスン・カーについて語らう4人のなんて愉しそうなこと! 読んでいる私も、「そうそう、そうなんですよね」「なるほど、そういう捉え方もできるか」などと、会話に参加している気分にさせられます。繰り返し読み返して、ちっとも飽きません。 本書に収められた四氏 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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クロへの長い道 (講談社文庫)価格: 560円レビュー評価: 3.0 レビュー数:5 前作の 「 私が捜した少年 」 は読んでいません。
4編から成る作品ですが、全体的には読みやすいものでした。
通常の会話が一重カギ、主人公の独白というか、内の声 ? を表したものが二重のカギカッコになっているのも面白いです
( 実際に幼稚園児が、このようなことを思うかという疑問はありますが ) 。
ただ……最後の 「 八百屋の死にざま 」 はいただけません。
この作品では、主人公が直接事件を解決するわけではないので、ミステリとはいえない気がします。
幼稚園児の日常を追った小説 ( にしては死者も出ますが ) ...さらに詳しい情報はコチラ |
ドアの向こう側 (講談社文庫)価格: 680円レビュー評価: 4.0 レビュー数:3 2004年に双葉社から出た単行本の文庫化。
渋柿信介シリーズの第3作。5つの短編が収められている。
ハードボイルドをパロディ化したものとして知られる本シリーズだが、本書では、ハードボイルド的なものの文体模写の部分が弱くなっているように感じた。そこはちょっと不満。
ミステリとしてはたいしたことはない。トリックともいえないほどのものばかりで、そこを期待する読者には向かないだろう。
幼稚園児の目に映る世界が、いかにもそれっぽく再現されているのがすごい。 ...さらに詳しい情報はコチラ |