古墳殺人事件―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)価格:
840円レビュー評価:
4.0 レビュー数:1
主人公・津田皓三は、少年向け啓蒙雑誌の編集長で、歩く百科事典のような知識の持ち主、という設定。何かにつけて、自分の知識を口に出さずにはいられないようだ。
作者はヴァン・ダイン風を狙ったことだろうが、今日では、むしろ京極夏彦のシリーズ物を軽快にしたような印象を、若い読者に与えるのではなかろうか。
トリックの解明に至るまでの薀蓄が長くて、トリック自体はどうでも良くなってくるような感じも、あのシリーズと似通っている。
それでも、『古墳殺人事件』の真相は、この作者の長編では『上を見るな』などと並ぶ“大技”であり、良くも悪くも、読後の印象は強烈だと思う。
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