秘境からの脅迫者 (文春エンターテインメント)価格: 1,631円レビュー評価: 3.0 レビュー数:1 「最後の逃亡者」の著者の第2作。舞台はソ連崩壊後のロシアで、日本人商社マンがチェチェン・ゲリラに誘拐される話。商社マンの奥さんが大活躍する。前作もそうだったが、なぜかこの著者の話は女性の方が元気だ。 前作よりも洗練されているが、読者を圧倒するような迫力はなく、こじんまりとしてしまった感がある。時代が変わったのだから仕方ないが、敵が強大で冷酷非情なソ連の治安機関から、チェチェン・ゲリラにスケールダウンしてしまったのも一因だろう。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
最後の逃亡者価格: 1,529円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 舞台はペレストロイカ前夜のソ連。現地の女性と、ソ連在住の日本人商社マンが、それぞれ理由は違うが、ソ連治安機関に生命を脅かされる羽目になり、壮絶な逃避行を展開する。 小説もとてもおもしろかったが、それよりも興味深いのは著者の身元。潜水艦のスクリュー音を低下させられる工作機械をソ連に密貿易した、東芝機械のココム違反事件を、当局に通報した人物である(東芝機械とソ連を仲立ちした商社に勤めていた)。この一件については、同じ著者のノンフィクション、「モスクワよ、さらば」に記されている。併読するとさらにおもしろさが増すので、本書に興味を持たれたら、ノンフィクションの方も一読をお薦めする。 閑話 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ロシア黙示録価格: 2,000円レビュー評価: 4.0 レビュー数:3 筆力に圧倒されました。日本のフォーサイスと呼んでもいいのではないでしょうか。読んでいてぞくぞくっとくる箇所が随所にあります。それにしてもソ連貿易というのは命がけだったんですね(今はそうでもないようですが)。ただ、何箇所か(はからずも主人公が受け取ってしまったお金の処理の仕方とか)納得がいかない箇所はありました。作者はもうお年であまり書かないとのことですが、私は新作が出るのを期待してやみません。 ...さらに詳しい情報はコチラ |