文庫版 百器徒然袋―風 (講談社文庫)価格: 1,140円レビュー評価: 4.5 レビュー数:8 今回も探偵は暴れます。絶好調です。さらにお父上まで登場します。エノさん向かうところ敵なし。
細かいところを言えば、番外編を読んでいくうちに気になる僕、本島君のフルネームが明らかになります。最後は暖かく締められています。
本編よりも軽く読みやすいので、お勧めです。ただ、本編よりもそれぞれのキャラクターが明るいので、これから本編を読まれる方は多少のギャップを感じるかもしれませんが…。
第3弾を希望します。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
文庫版 塗仏の宴―宴の支度 (講談社文庫)価格: 1,090円レビュー評価: 5.0 レビュー数:12 とうとう2冊に分かれた京極本。覚悟はしていましたが、中を開いてみると、短編のようになっていて、思っていたより、読み進めることが出来ました。
この作品は、大変登場人物が多いです。そこで人間関係を整理する力を必要とします。
今回は今まで以上に過去の作品の登場人物が、重要な場面役割で出てきます。もう一度ウブメから読み直したくなりました。
関口君の壊れ具合は見ものです。大変心配になりました。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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ルー=ガルー ―忌避すべき狼 (1) (リュウコミックス) (リュウコミックス)価格: 580円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 原作が京極夏彦氏と言う事で、アレルギーをもたれる方もいらっしゃるとは思いますが、このコミックスに関しては良くできていると思います。
舞台は、伝染病に寄って多くの人間が死亡し、食料は合成食品になり、清潔な環境を整え、極度に人と人との関わりや、動物との関わりが薄くなった近未来。
伝染病の関係で、特に「血」に対する恐怖が高い世界の中、連続して起きている殺人事件をベースに物語りが動いて行きます。
私は原作を未読なので、原作に忠実なのか、それともオリジナリティーあふれる内容となっているのかは判断出来ませんが、話の展開 ...さらに詳しい情報はコチラ |
文庫版 百器徒然袋―雨 (講談社文庫)価格: 1,040円レビュー評価: 4.5 レビュー数:18 本編百鬼夜行シリーズの同じ登場人物、同じテーマでも、こちらの中編小説集は、主人公をかの麗人榎木津礼二郎に仕立てただけで、こうもコメディータッチになってしまうのか。作者の技術には本当に脱帽。
エノさんのみならず、あの中禅寺までなかば壊れる始末。
気がついたら、私は「僕」になって、エノさんの下僕をなっていました。大変読みやすく、面白い作品です。本編の続編も期待しますが、こちらのほうも出して欲しいと思います。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ルー=ガルー 忌避すべき狼 (3)(リュウコミックス) (リュウコミックス) (リュウコミックス)価格: 580円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 デビューから随分経つのに人気が今更急上昇した、京極夏彦原作のコミック。同じく京極作品原作の「魍魎の匣」のコミックが高評価を受けている。基本、原作が良すぎるとコミックなどはスベルものだが、京極作品原作のコミックはなぜかそれがない。絵が付け易い作品では決してないのに成功するのは、一途に漫画家のアレンジ力が素晴らしいからです。魍魎の匣は原作をより忠実に再現すると共に、より分かりやすく絵でその場面場面を再現しています。それも、やはりすばらしいアレンジだと思います。
それで、このルー=ガルーも、そんな作品の一つ。
「クルリのヒトトセ」というオリジナル作品で注目されている樋口彰彦 ...さらに詳しい情報はコチラ |
幽談 (幽BOOKS)価格: 1,449円レビュー評価: 4.5 レビュー数:7 内田百間(門構えに月)の幻想小説のような怪談集。全8編で、うち後半の3編が書き下ろし。
他誌掲載作の方がレベルは高い。とくに最初の2編は、人生に絶望した中年インテリの心象風景として優れた作品と思う。一方、書き下ろしは明らかにレベルが下がり、とりわけ最後の一編では、この作者の悪い癖である、まとまらない思弁の垂れ流しが目立つ。
私の子ども時代の記憶は断片的で、たとえば引っ越しの記憶は、眠っていて目が覚めたら新しい家に居て、頭の傍に新幹線の模型が置いてあった、ただそれだけである。なぜそんな、劇的でも何でもない記憶だけが後年まで長々と残ったのだろう ...さらに詳しい情報はコチラ |
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)価格: 1,260円レビュー評価: 4.0 レビュー数:12 ミステリでもないし、探偵小説でもないし、あんまりカタルシスも感じられません。がっかりしました。
個人的に、今までの京極シリーズは、作者が中禅寺を通して語る思想と、とうとつに出てくる科学の話や妖怪の話が、謎に満ちた事件を解く鍵となり、ドラマティックに展開するからおもしろかったんです。でもミステリの部分を放棄しちゃったんですねー。江戸川乱歩なら30ページで終わらせる怪奇小説を、1200ページ(実際には2000ページ分くらいある)つかってやっちゃったって感じです。がっかりです。
哲学とか思想だけなら、他の本のほうが充実してるわけです。別に文学者や ...さらに詳しい情報はコチラ |
魍魎の匣 (講談社ノベルス)価格: 1,334円レビュー評価: 4.5 レビュー数:70 京極夏彦2作めにして最高傑作として名高い本作。作中にはさまれる幻想的な「匣の中の娘」女子高生の自殺未遂事件、連続バラバラ殺人事件、戦時中の不気味な研究を続ける医学研究所、匣をあがめる新興宗教など禍々しいが、一見無関係に見える事件が一気に収束してゆくラストが圧巻です.戦後のこの時期に免疫学や遺伝子操作などの言葉自体もありませんし、そういう意味で時代背景と京極堂の説明はやや齟齬がありますが、科学と伝奇ものが絶妙に組み合わされた傑作であることはかわりありません。現代の医学水準で考えれば四肢のない状態で生きていくことも人工臓器、臓器移植などある程度可能な技術です。究極は体のサイボーグ化、脳移植や意識 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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百鬼夜行 陰 (講談社文庫)価格: 940円レビュー評価: 3.5 レビュー数:6 本編をさらに奥深くなるように肉付けしている短編集。本編を邪魔することなく、それでいて、もう一度本編を読み返したくなる、そんな本です。
また、本編の主要登場人物の登場や憑き物落しを期待しすぎるとがっかりします。
百鬼夜行シリーズの世界にどっぷりと漬かりたい人にお勧めです。(「塗仏」までの本編を全て読んだ後で。) ...さらに詳しい情報はコチラ |