動物化する世界の中で―全共闘以降の日本、ポストモダン以降の批評 (集英社新書)価格: 693円レビュー評価: 3.0 レビュー数:8 音楽で言うと、クラシックとジャズ・ファンの間には、ある亀裂がある(両方の愛好家も少数ながら存在するだろうが)。たとえば、有名なバーンスタインvsグールド(あえてvsと書く)の有名なベートーヴェンの協奏曲を取り上げてみよう。クラシック・ファンは、調和していないコンチェルトの演奏は最悪だという。しかるに、ジャズ・ファンは、それぞれ勝手にやってても、それぞれがよければイイじゃない、という。評論や対談というジャンルは、本来クラシック音楽に近い性質のもののはずだから、「噛み合わない討論」(噛み合わない、という事実に関しては争いはなかろう)は低い評価しか与えられないのが論理的には正しいはずだ。そういう ...さらに詳しい情報はコチラ |
薔薇の女―ベランジュ家殺人事件 (創元推理文庫)価格: 735円レビュー評価: 3.5 レビュー数:3 他のレビュアーの方も書かれているように、ミステリーとしての面白さは
前作『サマーアポカリプス』にかなり劣っているように思われる。
そしてこの矢吹駆シリーズのウリである思想対決であるが、今作ではVSジョルジュ・バタイユ。主に彼の著作『呪われた部分』と『エロティシズム』についての思想を取り扱っている。
確かにバタイユの思想のまとめ方は上手だと思うし、わかりやすくで面白いのだが、
この思想対決の部分は本当の本当に必要だったの??と思ってしまう。
つまり、ストーリーとのリンクのさせ方が、『サマーアポカリプス』に比べて下手なので ...さらに詳しい情報はコチラ |
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ヴァンパイヤー戦争〈7〉蛮族トゥトゥインガの逆襲 (講談社文庫)価格: 650円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 まずは、表紙。個人的に大好きな緑と青を基調とした、表紙はお気に入りである。内容は戦闘が好きな人には答えられない内容になっていると思う。それにしても、思うのは九鬼さんは女たらしではないか?ということだ。いくら黄金の女をもとめているとはいえ…。 いずれにしても、早く続きが読みたくなるような作品だ。評価としては甘いのかも知れないが、1、2を争う出来だと思います。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ価格: 2,520円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 ぐっときてしまうわけですが。 恩田陸、笠井潔、菊池秀行、北村薫、長野まゆみ、三浦しをん、山田正紀(敬称略)の七人はエッセイ、他の方々が短編を書かれています。 この中に誰か一人でも好きな作家がいるなら、読んで損はないと思います。 中井作品がまさに〈永遠の呪縛〉たりえることがうかがえる本でした。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ヴァンパイヤー戦争〈5〉謀略の礼部クーデタ (講談社文庫)価格: 650円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 いつもながら重要と思われる人物がコロコロ死に、意外な人物が意外な役割を持っています。 この巻で日本での対決は終わり、舞台は世界に広がります。 この時代設定は1998年らしく、その頃はもうソ連はねぇ…!という部分もありますが、当時の情勢として眼をつぶりましょう。 内容、表紙などのイラスト、どれをとっても一級品です。 ただ惜しむらくはドゥゴンが執筆当時流行っていたクトゥルー神話っぽすぎることでしょうか。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
探偵小説と二〇世紀精神 (キイ・ライブラリー)価格: 2,520円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 ◆「日常的リアリティ」の限界
〈探偵小説というジャンルそれ自体が、日常的リアリティの
観点からは「不自然」の塊である。
(中略)
問題はあくまでも、「不自然な計画犯罪」にさえ濃密な小説的
リアリティをもたらすところの、探偵小説的空間の強度にある〉
けだし、広く流布されるべき至言といえます。
「日常的リアリティ」のみでミステリをはかると、その豊かさを十分味わうことができま ...さらに詳しい情報はコチラ |
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探偵小説の論理学―ラッセル論理学とクイーン、笠井潔、西尾維新の探偵小説価格: 2,520円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 ▼第三部 ロゴスコードの変容と論理物語の新潮流
ノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』が取り上げられます。
話が進むにつれ、どんどんメタ化が進み、ノックスとヴァン・ダインが提示したコードに
ことごとく違反した解決がなされる「ひぐらし」。
このような「ひぐらし」の根底にあるものを著者は、
〈モナド(=個々人の世界)が出会えないという絶対的な確信めいたもの〉だとします。
ディスコミュニケーションが進行した現代において、他者と現実を共有するためには、 ...さらに詳しい情報はコチラ |