必読書150価格: 1,260円レビュー評価: 3.5 レビュー数:36 だいたいどこにでも載っているブックリストです。
とくに真新しい作品は見かけません。
本の解説も意味不明が多いし、ちょっと混乱。
ただ、見やすいのでリストを作るよりメモ帳代わりに
なるかなと。
本の紹介以外の対談や文章はただの近大自慢に留まっている。
しかも今の近大の生徒が最低でもここに載っている
作品を読んだことがあるのかは疑わしい。
そして研究所自慢。ブックリスト以外は不要な書。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
鳥類学者のファンタジア (集英社文庫)価格: 1,300円レビュー評価: 4.5 レビュー数:3 現代の女性ジャズピアニストが、1944年のベルリンに
タイムスリップする〈タイムトラベル〉ものにして、音楽SF。
戦局の悪化に伴い、オカルティズムに傾斜していくナチスドイツと
神霊音楽協会が企てる一大謀略に、主人公と当時渡欧していた
彼女の祖母(天才ピアニスト)が否応なく巻き込まれていきます。
オルフェイスの音階、宇宙オルガン、フィボナッチ音律、
ピュタゴラスの天体、ロンギヌスの石……。
伝奇的な意匠が、これでもかという ...さらに詳しい情報はコチラ |
『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)価格: 820円レビュー評価: 4.0 レビュー数:6 奥泉光渾身の一作。本作の目玉は何と言ってもこの文章。まるで漱石本人が乗り移ったかのごとく、作者は「猫」の文体を完全に再現してみせる。この呼吸、このリズム。「吾輩」の我々人間に向けた舌鋒はいよいよ鋭く、愉快な仲間たちとの掛け合いの何と楽しいことか。二十世紀初頭の上海を舞台に、苦沙弥先生殺害事件を巡るミステリーは、やがて時空を股にかけた奇想天外な物語へ。「ぼくはこれを書くために小説家になった」と豪語する作者の筆は冴えに冴え、小説の醍醐味、読書の悦びを最大限に味あわせてくれる。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
バナールな現象 (集英社文庫)価格: 720円レビュー評価: 4.0 レビュー数:3 奥泉作品をひとことで言えば、メタミステリーチックな純文学と言えるでしょうか。 妻の妊娠と、ちょっとしたきっかけで日常からずれていく主人公・木苺の一人称を中心に描かれています。 メタミステリ性は、作者が現実の虚構性を意識しているから、現実のあやうさがそれにつながっているのでしょうが、現実と同じ調子で想像の部分を書いているあたりは、意識的な“騙し”の手口といえるでしょう。 親切な作家なら1行空けたり、1文字下げたりする部分も、容赦なく続けて書いています。 『ウロボロスの偽書』や、折原一の作品群に出てくる要素もあるので、余計にメタミステリ的解決を期待してしまうのですが、本作は純 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ノヴァーリスの引用価格: 1,325円レビュー評価: 4.5 レビュー数:5 一見ミステリーであり、ミステリーのディスコースに従って展開するようであるが実はそうではない。謎があれば、それが解明されなければいけないという常識や典型をくつがえす。そうは言っても、伏線をほったらかすわけではなく、きちんと回収していく。ミステリーのそれとは異なるが、ラスト一文には衝撃をおぼえる。感想はすごい!の一言に尽きる。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
浪漫的な行軍の記録価格: 1,680円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 奥泉氏の大作『グランド・ミステリー』のなかの、日本軍批判の部分を圧縮させたような内容である。
ということは、グランド・ミステリーの推理小説的部分ばかりが気になって同書を読み、かつての日本軍のあり方や、また、現在の日本のあり方に思いを深くするような事のなかったような人には、ぜったいお薦めできない。
このような悲惨な行軍を強いられた人々が、なんの呪詛ももたずに死んでいったとは考えづらい。
その呪詛の先は、多くは軍の上層部にたいするもので、天皇や、あるいは日本全体のあり方にまで、射程を深く取るものはなかったかもしれない。
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文芸漫談―笑うブンガク入門価格: 1,680円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 非常に読みやすい本です。「ぷっ」「ワハハ」等読むたびに笑いがこぼれます。 しかし、それだけではなく、二人の文学者がテキスト、イロニー、ユーモア、メタテキスト、コンテキストに対しての縦横無尽かつ真摯な考察を加えます。 また、最後に文学の未来についての鋭利な省察等、文学・小説を読む、書くそれぞれを志す人はとにかく必読。 つまりあらゆる本好きの方は是非ご一読を。 ありとあらゆる小説好きの人に勇気を与えてくれる本です。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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石の来歴 (文春文庫)価格: 407円レビュー評価: 4.0 レビュー数:6 ミステリーと言うべきか、ホラーと言っても良いのか。夢と現実、過去の戦争と戦後の現在が交錯しながら、読者をひきつけるストーリー展開と心理描写は一級品である。
その後の奥泉光の作品と比べると、オーソドックスとか保守的と言われるかもしれないが、純文学のテーマ性を魅力あるストーリーに込めたこの作品は大好きである。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)価格: 1,000円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 帯の惹句にもあるように、連続殺人、首なし死体、アトランティスのコイン、怪しげな錬金術、孤島の洋館、複雑な縁故関係、およそミステリの要素を何でも詰め込んだ作品です。
奥泉作品の中では、正統なミステリーに近い作品だと思います。
おどろおどろしい幻視など、ミステリとしては反則すれすれのギミックもあり、犯人はこいつだ、という場面でのカタルシスはあまりありません。
奥泉作品らしい、一ひねり効いた正統派(?)ミステリーです。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
新・地底旅行価格: 1,995円レビュー評価: 3.0 レビュー数:4 あれだけのものを書く方でも、やはり新聞小説ということを意識され過ぎたのか、奥泉ファンとしてはまったく物足りず、初めて読む方は面食らったことだろう。どちらに対しても中途半端な作品になってしまった。オチを例のオルガンに持っていくつもりなら、もっと最初から元来の荒唐無稽さを出してもよかったのではないか。世間に奥泉光ありと知らしめるチャンスをみすみす逃した気がしてもったいない。これを「鳥類学者」と「モーダルな事象」との3部作とは、認めたくないなー。
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