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迷宮 (光文社文庫)価格: 560円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 本作品は、推理小説という枠組みをとりながら、人間の老いと創造力というもの、安楽死あるいは尊厳死に対する是非というものを、考えさせられます(森鴎外『高瀬舟』の影響もあるのでしょう)。最後は、第四章『幽霊をめぐって』からの連関が素晴らしく、文字通り「うまくやられた!」的ではあるのですが、単なる推理小説を超えた、哲学的な問いを読者に残すところが、筆者の手腕であり、純文学作家たる所以です。
また、明らかに筆者が投影された人物である皆木旅人が、イプセンを始め、様々な作家や歌人や思想家について言及するところは、文学的に勉強になります。特に、第四章において、皆木が、「言論・表現公 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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縮図・インコ道理教価格: 1,365円レビュー評価: 4.0 レビュー数:5 百ページと少しという枚数の中に、大西氏のプロのエクリチュールが炸裂しています。
オウム真理教のパロディである『縮図・インコ道理教』というのは、『?の縮図・インコ道理教』という訳ですが、これは読んでみてのお楽しみです。
左翼主義者の大西氏らしいシニカルな嘲りが込められています。
この枚数内に、こういった味のあるプロットを組んで、過不足なくカッチリと料理する腕前は、やはり氏がプロ中のプロの作家であるという証明でしょう。
いつもの如く面白く、且つ、考えさせられ、タメになりました。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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地獄篇三部作価格: 1,785円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 ■大西巨人の未発表小説が単行本化された。「第一部笑熱地獄」では敗戦直後の日本文壇の状況がシニカルに、パロディを交えて描かれる。「第二部無限地獄」は地方都市に住む29歳のインテリ編集者と17歳の少女との恋愛を描き、男の罪ある過去の恋愛を回顧する。「第三部驚喚地獄」は「第二部」の小説を架空の文芸誌が紹介するという内容。いずれにせよ一筋縄ではいかないただならぬ作品集。
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