セント・メリーのリボン (新潮文庫)価格: 460円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 この本におさめられている「焚火」を読んだ時、震えが走った。 余計なものはいっさいない、研ぎ澄まされた、けれど限りなく優しい、まさにハードボイルドたる小説。 多くのハードボイルド小説を読んでいて、今でもこれ以上の作品にはお目にかかっていない。 多くを語らないひとりの老人と犬。 言葉少なく、ほとんど動くこともない彼らのあり方は、他を圧倒する存在感を持っている。 稲見氏にはもっともっと、作品を書いてほしかったと思う。 本当に残念だ。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ダック・コール価格: 1,427円レビュー評価: 5.0 レビュー数:7 いったいどうすれば、こんな文章が書けるのだろう。
どの文章ひとつとっても、気高さと美しさにあふれている。
この作品は山本周五郎賞受賞作だが、稲見一良の名を冠した賞の創設を望みたい。
頁をめくるたびに、ひとつの短編が終わるたびに、私は深いため息をつく。
この人の作品があまりにも少ないことに。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ソー・ザップ!価格: 1,325円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 『ダブルオー・バック』につづく、稲見一良(いなみいつら)の第2作。初のハードボイルド・ハンティング長編小説である。
’90年、「このミステリーがすごい!」国内編で第15位にランクインしている。
火の匂い、肉の焼ける匂い、ビールの匂いが漂い、飽満と倦怠のあたたかい空気が満ちる「パブ・パピヨン」で、レッドと名乗る謎の男が、いずれも一癖ある4人の常連客に対して、自分の命に3千万円の賞金を賭けたハンティングの勝負にのらないかと持ちかけてきた。挑戦を受けた男たちは、指定されたK山脈系の山野に分け入り、文字通り“命を賭けた”マンハント・ゲームを始める。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
花見川のハック価格: 1,427円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 稲見一良さんの小説、テーマは、自然や動物、老人と子供、銃と狩猟、男の生き方、なんていうものが多くて、自然派でもハンターでもない私にはまあ、関係ない世界なんですが、簡潔でスムーズな文体と、ちょっとセンチメンタルな内容が爽やかな読後感に繋がるんですね。晩年に近い作品は稲見さん御本人がすんでいた千葉の花見川を舞台に書かれているのが多いのですが、花見川がすごく素敵なところに思えて、こんど暖かくなったら行ってみようかなと思ってます。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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猟犬探偵価格: 1,325円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 セントメリーのリボンにつぐ竜門ワールド。
これぞ、真のハードボイルドだ。
できれば、英訳してアメリカで売り出して欲しい。
チャンドラーの再来という賞賛で迎えられるであろう。
4話の中で、お薦めは、「悪役と鳩」。
この物語の切なさを味わって欲しい。
和製マーロウといえば、「沢崎」だと思っているハードボイルドファンへ。
ハードボイルドとは、軽口ではなく、生き方だと実感させてくれる本書をぜひ手にとられたい。
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