ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)価格: 756円レビュー評価: 5.0 レビュー数:7 この本の時代設定は学生運動が盛んなころなのですが、
読んでいてなぜか時代のギャップをあまり感じません。
主人公は小学生なのですが、読みながら彼と同じ視線
でものを見ている自分に気が付かされるほど引き込まれる
ストーリーです。きっと読者は読む前と読み終わった後で
何か違う自分に気が付くはずです。夏に読むとより楽しめるかも! ...さらに詳しい情報はコチラ |
おれがあいつであいつがおれで (山中恒よみもの文庫)価格: 1,365円レビュー評価: 5.0 レビュー数:5 新編日本古典文学全集(小学館)の『住吉物語 とりかへばや物語』の月報に、山中恒さんが寄稿していて、それによれば、『おれがあいつ…』を書いた時点では、『とりかへばや物語』のことを知らなかったそうです。てっきりあれの現代版と思っていましたが。
そうはいっても、これは人格転移の話だから、『とりかへばや物語』とはやはり違いますね。
性を意識し始めるころの、ある程度は知っているけれどもよくは知らない、その微妙な時期の子どもの心理が、ユーモラスに書かれています。その微妙さがいいですね。誰しも体験する、甘酸っぱいころの思いがよみがえります。
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ハルばあちゃんの手 (日本傑作絵本シリーズ)価格: 1,575円レビュー評価: 5.0 レビュー数:3 大きいというのは、本のサイズに加え、中身についても言えること。 ハルという人間の人生が丸ごと描かれているんですから。 ハルは手のホクロが印象的な戦前生まれの女性。しわのひとつひとつまで 丹念に描かれた鉛筆画は、まるで本人を実際に見たかのようなリアリティに 溢れています。 しっかり生きるということは、それだけで大きなメッセージになるんですね。 本を扱う自分の手が緊張するのを感じました。 この本そのものがハルなんですから。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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おれがあいつであいつがおれで (角川文庫)価格: 500円レビュー評価: 4.5 レビュー数:2 かつて大林宣彦監督の映画「転校生」として見た作品です。今回、リメイクされるということで、時代の変化が作品をどう変えるのでしょうか?
作品そのものは、ひょんなことから男女が入れ替わってしまうというもので、小学生向けに書かれた他愛の無い悲喜劇です。
でも、それだけでないのが、この作品を再映画化に導いているのでしょう。
この作品で取り上げられているのは、「男らしさ」「女らしさ」と言うジェンダーの問題です。
女になってしまった一夫と、男になってしまった一美は、そこで周りから見られる「男らしさ」「女らしさ」に戸惑います。そこで演じる二人のド ...さらに詳しい情報はコチラ |
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間違いだらけの少年H―銃後生活史の研究と手引き価格: 5,880円レビュー評価: 4.5 レビュー数:3 ずっと以前に、『少年H』がベストセラーになっていたころ、書店でこの本を見つけたのですが、あまりの分厚さと値段の高さに躊躇してしまい、つい買いそびれました。最近、戦時中の生活の様子を調べる必要があり、ついに購入しました。単なる批判本ではなく、当時の生活を知る一級の資料にも匹敵する内容です。科学実験のように反対仮説があると問題がはっきりするように、『少年H』のおかしなエピソードがあったおかげで、より当時のことが理解しやすくなったようです。なお妹尾さんは『少年H』について、「見た事、聞いた事以外は書かなかった」と公言していましたが、批判についての反論はなかったそうです。ほとんど間違えだらけなので ...さらに詳しい情報はコチラ |
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六年四組ズッコケ一家 (山中恒よみもの文庫)価格: 1,365円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 小学生のころ、大のお気に入りだった本です。高校生になってからもたまに読んでたくらいです。一章につき一人ずつ、12人もの個性豊かな「こまったちゃん」が紹介されていくという本で、他愛ないズッコケ話なのですが、めっぽうおもしろい。何度も読んで、何度も笑いました。20代も後半になった今、10年ぶりくらいに再読しても、さすがに声を出して笑うことはないものの、とても楽しくて、読み終わったときには気持ちが明るくなりました。 感動するような話ではないのです。しんみりする部分はあるけれど、ほんのちょっぴり。とにかく、ズッコケた子たちが、とんでもないズッコケをやるばかり。でも、その徹底ぶり、徹底したズ ...さらに詳しい情報はコチラ |
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