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ミステリ・オペラ―宿命城殺人事件 (ハヤカワ・ミステリワールド)価格: 2,415円レビュー評価: 4.5 レビュー数:3 本書の壮大な構想とその筆致は、昭和史をまるごと、探偵小説という装置を用いて 凝縮させようと試みる、作者の強烈な決意を感じさせます。 メタミステリーの手法を採用していますが、現代と50年前の手記を、交互または ランダムに読まされる事によって、ヒロインがそうであるように読者もまた、時間と 空間の認識が混沌としてくるに違いありません。 実際に、手記のかなりの部分が、旧仮名遣いで書かれていますが、いつしか自然に読 み進めるようになってくるのですから不思議です。 冒頭に謎が提示され、また連続して密室殺人事件が起こり、さらに現代と50年前の パラレルワール ...さらに詳しい情報はコチラ |
雨の恐竜 (ミステリーYA!)価格: 1,470円レビュー評価: 2.5 レビュー数:3 山田正紀14冊目だが、これはまた新しい境地を開いたなーというのが第一印象。
文章の安定感は保証付。
読む年齢によって感想はおのずと違うと思うので、あくまでも世間ずれしてしまった四十オバさんの読み方だが、14歳当時を思い出して新鮮な気持ちにさせられ、最後まで引っ張られた。
どうにも我慢できず途中挫折さぜるを得ないYA小説が山ほどある中で、これはいろいろな世界を紡ぎ出すことのできる素敵なおじさまから若い人に向けられた、大人は自分が思うほど大人ではなく、子どもは大人が思うほど子どもではないという、精一杯のメッセージなのである。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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神曲法廷 (講談社文庫)価格: 1,040円レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 「ミステリオペラ」がめでたく高い評価を得られたことで、今まで一部の読者のみが知る存在だった山田正紀ミステリもようやく正しい評価を得られつつあるようで、喜ばしい。 山田正紀は非常に多作であり、かつその小説のジャンルがあっという間に様々な方面へと軽々越境してしまうため、全体を把握するのはそう易しくない。とはいえ、作品単位で見れば、ほとんどの場合裏切られることはない希有な作家である。 本作「神曲法廷」は、「女囮捜査官」から疾走し始めた山田ミステリ、最初の頂点とも言える傑作である。どうにも中身を説明できないので、まずは読んで頂くしかない。帯や裏表紙になんと書いてあろうとあまり気にしないことだ ...さらに詳しい情報はコチラ |
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金魚の眼が光る (徳間文庫)価格: 620円レビュー評価: 3.5 レビュー数:3 昭和12年、北原白秋の金魚の童謡見立て連続殺人事件発生!明治37年の中島白雨殺人事件も絡む!!
歴史ミステリとして日本人論にも発展する傑作。
SF寄りの正紀ではなくて、純文学寄りの作家が書くべき作品。
石川啄木を主人公にした「幻象機械」のように文学表現までは再現してないので、古臭い表現が苦手の人でもスラスラ読めます。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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天正マクベス―修道士シャグスペアの華麗なる冒険 (ミステリー・リーグ)価格: 1,995円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 本書のベストセリフ
「信長は一人の吝嗇漢に他ならない。
後世に評される革命児などという
たいそうなものではない」
本能寺の変とシェイクスピアの謎をまとめて解決する、
天才的な歴史ミステリー。
実はシェイクスピアは日本に来ていて、
テンペストも真夏の夜の夢もマクベスも、
日本での事件が元ネタであったという凄い話。
天才の山田正紀が軽く書いた印象を受ける。
シェイクスピアが赤塚不二夫のギャクマンガのキャラのような日本語喋るので、
真面目なシェイクスピア ...さらに詳しい情報はコチラ |
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