生ける屍の死 (創元推理文庫)価格: 1,260円レビュー評価: 4.5 レビュー数:13 ミステリの歴史に残る傑作ではないかと個人的に思う一冊なので、あえて本棚の奥から紹介のために出てきました。山口雅也氏、最近ではちょっと新作の刊行ペースが落ちていますが、「キッドビストルズ」シリーズのようなパンクの衣装を着込んだ名探偵が活躍する異色シリーズを出していたり、なかなか興味深いミステリ作家さんです。
さて、この「生ける屍の死」も、かなり異色のミステリです。
というのも、この作品、死体が生き返ってしまうのです。それも複数。普通、ミステリものでは誰が誰をどんな理由で殺したか、どんな方法で殺害したかを解決していくものですが、それもこれも大前提として、死体が何も語 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ミステリを書く! (小学館文庫)価格: 690円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 現代ミステリの最前線で活躍する作家達へのインタビュー集。各作家がどのような経緯を辿ってミステリ作家になったのか、がよくわかる良質のインタビュー集です。ミステリを書く気のない人でも充分楽しめます。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)価格: 820円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 角川文庫の本格ミステリ・アンソロジーでは、有栖川有栖、北村薫、法月綸太郎に続く一冊。密室ものからリドル・ストーリー、幻想SF小説風味の作品まで、「本格ミステリ」を広義に捉えて選ばれた短篇の数々。さすが、色んなミステリ短篇を読み、独自の見識を持っている作家だけに、ユニークで面白いミステリ・アンソロジーになっているなあと、楽しく読ませていただきました。
「リドル・ストーリーの饗宴」の章では、作品を読む前の【解説(前説)】と、読み終えた後の【後説】のふたつが掲載されているんですね。作品のネタをバラさない気遣いと同時に、「というわけで云々」「さて、いかがでしたか」という、読み終えた今 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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キッド・ピストルズの慢心 (講談社文庫)価格: 580円レビュー評価: 4.0 レビュー数:1 1995年の単行本→1999年のノベルスの文庫化。
キッド・ピストルズのシリーズ第4弾。5つの短篇が収められている。
いずれもマザー・グースを使った見立てもの。靴にすむ老婆とか、「ティンカー、テイラー、ソルジャー…」の唄が出てきたりして趣向が効いている。ただ、事件そのものは小粒なような気が。
キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナが語り手となっている話がひとつずつ収められている。彼らの生い立ち・過去も分かるし、語り口にユーモアがあって楽しめた。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
ミステリーズ―完全版 (講談社文庫)価格: 700円レビュー評価: 4.0 レビュー数:3 単行本(1994年)→講談社ノベルス(1994年)→本書。
単行本版に比べると「<世界劇場>の鼓動」が新たに加えられている(ノベルス版から)。
10本を集めた短編集。1995年の『このミス』国内第一位に輝いたことでも知られる。
前半はキレのある短篇、中頃はミステリという枠組みへのパロディ、後半はミステリという存在への考察となっている。といっても、1、2篇を除いては普通の読者にも楽しめるものだし、ミステリ・ファンにはマニア心をくすぐられる物語となっている。
アイデアの秀逸さが光っている。楽しくて軽い文体で書かれている点も嬉しい。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
キッド・ピストルズの妄想―パンク=マザーグースの事件簿 (創元推理文庫)価格: 777円レビュー評価: 5.0 レビュー数:2 ◆「ノアの最後の航海」
聖書根本主義を深く信奉したため、ノアの方舟を再現し、
来るべき大洪水に備えようとしたノア・クレイポールが、
彼と対立するいとこのクレイポール博士と一緒に変死した。
しかし、ノアの遺産は、八人の相続人が揃っていなければ、
全額寄付されるため、金銭面での動機を持つ人間はいない……。
宗教家の信仰と学者の論理の対立が描かれるとともに、それを俯瞰で
見下ろし、操る黒幕の存在がキッドの推理によって明 ...さらに詳しい情報はコチラ |
奇偶価格: 2,520円レビュー評価: 3.5 レビュー数:8 なんとデビュー作『生ける屍の死』(実はその前に『13人目の探偵士』というゲームブックがある)以来の長編作品という事で、従来の山口作品を知る人間にとっては目を疑うほどの分量となってしまった(?)大作。 「キッド・ピストルズ」シリーズのファンにはお馴染みの、例のシューレディンガー(シュレーディンガー)の猫を使った量子力学、もとい並行世界の説明は、従来のシリーズだと要するに「パラレル英国」の概要を説明するマクラとして使われているにとどまり、肝心な小説の内容は、なかなか独特ではあるものの、基本的には本格パズラーとして成立していると思うわけです。 で、『奇偶』ですが、これが量子力学的世界観 ...さらに詳しい情報はコチラ |
キッド・ピストルズの冒涜―パンク=マザーグースの事件簿 (創元推理文庫)価格: 651円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 ◆「『むしゃむしゃ、ごくごく』殺人事件」
恋人が戦死し、その次の恋人は従妹に奪われたことで、
この世に絶望してしまった名女優、エリザベス・スキナー。
彼女は家から一歩も出ず、医者と弁護士、そして世話係以外の人間とは一切
会わずに、ひたすら食べ続けるという引きこもり生活を五十年間続けていた。
そんな彼女が毒殺されてしまう。
食事の残りから青酸カリが検出され、彼女と面会できる人間の犯行との疑いが強くなる。
しかし検死解剖の結果、エ ...さらに詳しい情報はコチラ |
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密室―ミステリーアンソロジー (角川文庫)価格: 560円レビュー評価: 3.0 レビュー数:1 密室をテーマにしたアンソロジーというと 非常に重たい作品が並んでそうですが 意に反して割にライトな作品が多い 密室にしても広義の密室たるものが多く 殊密室をテーマにして、短期間で短編を書いてくださいというのは 簡単にはいかないものなんだということを 感じさせます ...さらに詳しい情報はコチラ |
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