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vintage '06 (ヴィンテージ・シックス)価格: 1,470円レビュー評価: 4.0 レビュー数:2 オムニバス形式でそれぞれの作家が書き上げたものに、実在のワインを絡めている。
中でも「どうあがいたって庶民が買えないワイン」ばかりでなく、「ちょっと手を伸ばせば買える国産ワイン」も登場するのがニクイ。
石田衣良さんが好きで読んだんだが、他の作家も実力派だけあって、思わずニヤリ。
ショート作品だけに、スッキリ読める。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
夫婦公論 (集英社文庫)価格: 560円レビュー評価: 4.5 レビュー数:5 夫婦ともに作家というのも珍しいですが、夫婦をネタにして一緒に本を作っちゃうっていうのももっと珍しいような気がします。 このご夫婦は「徹子の部屋」なんかにも二人揃って出ちゃうくらいだから、夫婦ネタと言っても、作家夫婦の謎めいた私生活なんていう雰囲気はさっぱりなく、清々しいまでにあけっぴろげです。 二人のやりとりはまるでエンターテインメントを極めた夫婦漫才師のようで、いつ読んでも、どこから読んでもたのしく笑ってしまいます。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
愛の領分 (文春文庫)価格: 660円レビュー評価: 4.5 レビュー数:3 妻の小池真理子が「恋」で直木賞を取った後、旦那の藤田宜永がこの本で直木賞を取った。
「恋」よりこちらの方が、いろいろなタイプの男と女の心の陰影が深く描かれていて、心理劇を見るように読み進んだ。文庫版では本編終了後に「自伝エッセイ?受賞者が語る直木賞受賞までの軌跡 母親の顔」が所収されており、これを読むと「パーフェクトでなければ褒めてもらえない」母親へのトラウマが藤田氏の人格形成に陰を落とし、実に様々な経験と女性遍歴を繰り返したことが了解される。そんな藤田氏自身の心象風景がこの小説の登場人物全て、それは男も女も、に投影されている。だから深い。
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転々 (新潮文庫)価格: 620円レビュー評価: 4.0 レビュー数:5 一番気になったのは終わりの強引さです。
何故こんな無理にこじつける必要があったんでしょうか?
前から決まっていたならこんなひっぱるべきではなかったような気がします。
伏線をやたらめったら使うのではなくてもうすこし読者のことを考えてたら嬉しかったです。
しかし全体的に構成はすばらしく一気に読みきってしまいたい衝動に駆られる作品でした。
ただ中盤すこしまんねりな感じな場面がいくつかありましたが間違いなく良作です。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
COLORS―カラーズ価格: 1,680円レビュー評価: 3.0 レビュー数:5 集英社「小説すばる」で世に出た作家11人によるオムニバス短編集。テーマはタイトル通り「色」。初出が同社の「青春と読書」ということで,さまざまな形での人から人への想いがつづられています。
ひとつの作品が二十数ページで,しかも作者もコロコロ変わるとあっては,その人の世界を捉えようと思ったところで紙面が尽きてしまうもの。正直なところ,半分くらいはそんな乗り切れない状態で終わってしまいました。
空襲の炎に消えた少女との日々を語る「緋色の帽子」(池永陽)と,流罪になった私娼が手放した子供へ思いを寄せる「金色の涙」(宮本昌孝)が良かったかな。ちなみに後 ...さらに詳しい情報はコチラ |
戦力外通告価格: 1,995円レビュー評価: 3.5 レビュー数:2 藤田氏の描く中年男性は、これといった主張や個性がないにもかかわらず、女性に不自由せず、経済的にも恵まれた人物が多いですね。本書もリストラされたやさぐれ男の主人公になぜか周りに人が集まり、おまけに昔の同級生と不倫まで出来ちゃう。
かつての友人も、50を過ぎて社会からはみ出したり、家庭崩壊の危機に面していて、リストラされた主人公が悩みに付き合うといった、お人よしぶり。それにしてもこの年代になると、過去の青春時代を懐かしむ時間がこんなにも増えるのでしょうか?どうも、そこに心のよりどころを求めている人々が多く登場し、ちょっと寂しく感じます。まあ、「これから!」っていう前向きな未来はなかな ...さらに詳しい情報はコチラ |
危険なささやき (1983年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)価格: 315円レビュー評価: 2.0 レビュー数:1 アラン・ドロン主演映画「危険なささやき」の原作本です。
細かな設定は映画とはだいぶ異なりますが、話の展開は大体合っています。
しかし、マンシェットの作品のアクとも言える、頭のネジが外れたサブキャラはムードをぶち壊す邪魔な存在でしかありません。
だから、ドロン自身のプロモーションビデオ化した映画版の方が原作のアクを抜き、鑑賞に堪えられるものだと思います。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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鋼鉄の騎士〈上〉 (新潮文庫)価格: 940円レビュー評価: 4.0 レビュー数:4 文庫第一版14ページ11行目に「スパイはすべからく処分する。・・・」とゆう、いまどき中学生でもまちがえない誤用で先行き心配になりますが、いかにもなデラシネ冒険譚としては一読の価値はあったと思います。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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