悼む人価格: 1,700円レビュー評価: 4.0 レビュー数:15 天童荒太はどこへ行くのかというようなことが、確かどこかの書評に書いてあった。彼のファンとして「包帯クラブ」に通じるものが感じられはしたが、もっとずっと重く明るさというか、展望がないところがとてもきつい。
「悼む人」はやっぱり本の最後はこういう終わり方だろうなと思う通りだし、倖世との関係もこうなるしかないだろうし・・・自分は絶対に「悼む人」のようには生きられないし、「悼む人」が世界に広がることは不可能に近いだろうし・・・
天童荒太の作品は、宗教的な部分があっても最終的に宗教にならないところが好きなのだが、どうやって消化していこうか考えてしまう。「悼む人」の「悼み」が ...さらに詳しい情報はコチラ |
あふれた愛 (集英社文庫)価格: 600円レビュー評価: 4.5 レビュー数:8 目に見える表面的なものよりも大事なものがあるのではないかと気付かせてくれる作品。
弱さも強さも一長一短で相手の想いを素直に受け止める気持ちの余裕が必要だという事を学びました。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
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永遠の仔〈5〉言葉 (幻冬舎文庫)価格: 560円レビュー評価: 4.5 レビュー数:10 よくこの作品は感動巨編と書かれたりしているが感動はしない(僕はしなかった、衝撃は受けたけど)。緻密に練られた伏線がだんだん一本の太い線になっていく展開力はすごいし、読んだらほとんどの人がハマって、寝る間も惜しんで読んでしまう作品だと思う。
ただ、ラストが結局誰一人過去のトラウマを本当の意味では乗り越えられなかった事が非常に残念だ。同じような体験をした全ての被害者の為にも誰か一人でも完全にトラウマに打ち勝ち今を生きる姿を見せて欲しかった。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
永遠の仔〈2〉秘密 (幻冬舎文庫)価格: 600円レビュー評価: 5.0 レビュー数:4 ???だらけの、
過去の子どもたち。
優希、笙一郎、梁平。
ルフィン、モウル、ジラウ。
彼らの過去の秘密をキーワードに、
現在の彼らの周辺に事件が起こる。
幼少期のトラウマが、
呪縛となって、
読む側には、その事件そのものもまた秘密となる。
知りたくない不幸を、
覗き見たい厭らしさを持ちつつも、
物語が展開していく。
それが不快感に思うかもしれないが、
作者の緻密な取材と、
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永遠の仔〈4〉抱擁 (幻冬舎文庫)価格: 560円レビュー評価: 5.0 レビュー数:4 思うとおりになんかいかない。
そんなに高い望みだとは思わない。
けれども、それもかなわない。
これだけの内容を無責任に書けるわけもなく、
おそらく徹底した取材で、
かなり研究しているのだろうと思う。
その分のリアルさが、
鳥肌が立つほどの深い感を誘う。
幼児虐待、DV、殺人・・・、
もちろん言い訳もできない犯罪である。
あらゆる犯罪において、
もっとも被害を受けるのは、
いつでも社会的弱者である子ど ...さらに詳しい情報はコチラ |
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幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 (新潮文庫)価格: 500円レビュー評価: 4.5 レビュー数:36 基本的にはサイコスリラーなのだが、根底には現代社会の抱える問題「家庭」という小単位のなかでおこる虐待、暴力など種々な問題が扱われている。寡作な作家で、古い作品のリメイクなのだが、1月置きの発行がとても待ち遠しかった。いま、一気に読むことができる読者がうらやましく思える。今度はいつ彼の新作に出会えるのだろうか。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
永遠の仔〈上〉価格: 1,890円レビュー評価: 5.0 レビュー数:32 虐待の恐ろしさを書いているだけだったらここまで引き込まれないと思う。
私が一番好きなのは森の中のシーンです。
まるで自分が一緒にいるかのような、子供としての気持ちに返り、
息が詰まるような切なさ、苦しさ、本を読んでる事を超える臨場感。
読んだ後、しばらく衝撃で動けなかったです。。。
ぜひ虐待を受けた方は、最新のカウンセリングを受けて、克服して頂きたい。
じゃなきゃ悲しすぎる。
相手を超えて、ゆるしていかないと(ゆるすのは相手のためではなくて自分のために) ...さらに詳しい情報はコチラ |
孤独の歌声 (新潮文庫)価格: 580円レビュー評価: 4.5 レビュー数:29 この題名から、「孤独」というものを考える作品のように思われがちですが、そんな説教じみた内容ではありません。異常な性癖を持つサイコキラーの残虐な犯罪とその背景、事件を明らかにしてゆく女性警官と青年のからみなど、秀逸なサイコホラーのエンターテイメントとして、楽しめる作品です。ややグロテスクでサディステックな描写が多いので、ご注意を。 ...さらに詳しい情報はコチラ |
家族狩り オリジナル版価格: 2,415円レビュー評価: 5.0 レビュー数:4 温かい家族に必要なものは愛である。では愛とはなんだ? その疑問を、すでに崩壊した家族を持つ者や、その真っ只中にある者、家族を持つことに躊躇する者、そしてそれを助けようとする者たちと、理解しがたい愛に目覚めた者、それら様々な家族事情を通して鋭く読者に突きつけてくる。残虐描写が数多く登場するため、胸をえぐられるような痛みを伴うのは避けられないが、それがあってこそ心に響く作品になり得ているのだと思う。家族間の愛とは、永遠に答えの出ない問題なのかもしれない。作者ならではの素晴らしい描写力と取材力がなければ、こんなに重いテーマをこんなに素晴らしく仕上げることは出来なかっただろう。全ての家族に読んでもら ...さらに詳しい情報はコチラ |
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